平成21年度 名古屋市情報教育研究会

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「見つける楽しさ,わかる喜び,そしてあふれる感動」

―確かな学力と豊かな感性をはぐくむ情報教育―

 

 

      学力は“習得型”“活用型”“探究型”の3つの面からとらえることができる。

@ 習得型…基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させることを基本とする学力

A 活用型…理解・定着を基礎として,知識・技能を実際に活用する力の育成を重視する学力

B 探究型…活用する力を基礎として,実際に課題を探究する活動を行うことで,自ら学び自ら考える力を高める学力

(平成19126日中教審教育課程部会「第3期教育課程部会の審議状況について」より引用)

 

“確かな学力”の8つの力は@習得型(知識・理解,学び方)A活用型(思考力,判断力,表現力)B探究型(学ぶ意欲,課題発見力,問題解決能力)というように分類することができる。@を基にAの力を蓄え,Bの力に高めるという考え方である。@とBをつなぎ,“確かな学力”を形成する上で重要な役割を担うのが情報活用能力である。

新しい学習指導要領において,情報教育の目標(情報活用能力の育成)は各教科の中に埋め込まれており,教科を指導する際に,教科の目標だけでなく情報教育の目標も達成することを目指すようになった。

本研究会では,1年目に5つの学習ステップを組み込んだ学習においてB探究型の学力を育てる実践研究をした。子どもが身に付けた課題発見力や問題解決能力は学ぶ意欲や達成感につながり,豊かな感性を刺激することにつながった。さらに,ICTを活用した授業をすることで@の学力向上に迫ることができた。

また,2年目には,喫緊の問題点として情報モラル教育を取り上げ,情報活用の場面で実践研究を行ってきた。具体的な例示によって,子どもが思考したり判断したりする活動を取り入れ,思考力や判断力をはぐくみながら情報社会における適切な態度を身に付けるきっかけを作ることができた。しかし,“確かな学力”を育てる上で過去2年間の研究ではAの力が十分に高まっていないという反省点が残った。

そこで,今年度はA活用型の学力に注目し,教科指導の中で情報を活用することを通して情報活用の実践力を高め,“確かな学力”の育成に迫りたいと考える。また,知的好奇心をゆさぶる映像や音声などの教育素材を活用することで,子どもの“豊かな感性”の育成も目指す。さらに,情報活用する場面における情報モラル教育は継続する。これによって,思考力や判断力,表現力などの“確かな学力”を育むだけでなく,相手を思いやる心,つまり,“豊かな感性”の育成にも役立てることを目指した。