平成22年度 名古屋市情報教育研究会


「見つける楽しさ,わかる喜び,そしてあふれる感動」

―情報活用能力を育てるICT活用を通して―

 新学習指導要領の趣旨を要約すれば,「基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ,これらを活用して課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力・その他の能力をはぐくむとともに,主体的に学習に取り組む態度を養い,個性を生かす教育の充実」を目指しています。
 昨年度,本研究会では新学習指導要領の趣旨を受け,各教科の授業の中で情報を活用することを通して,"確かな学力"の育成に迫りながら,情報活用の実践力を育てる研究を進めてきました。
 情報活用の実践力は,「課題や目的に応じた情報手段の適切な活用」,「必要な情報の主体的な収集・判断・表現・処理・創造」,「受け手の状況などを踏まえた発信・伝達」の3つの要素からなります。今年度は,昨年度までの取り組みをさらに発展させ,各教科・領域の学習指導の中で,ICT活用に重点を置いた研究を進め,各教科等の目標を達成するとともに子どもたちの情報活用能力を育てていきました。
 この指導により,子どもたちは主体的により深く豊かに思考・判断・表現していくことができ,研究主題にある「見つける楽しさ,わかる喜び,あふれる感動」を味わうことができると考えました。
 具体的には,ICTを活用した以下の2つの場面を通して,情報活用能力を育てました。
○ 教師がICTを活用する場面
  ・ 子どもが「やってみたい」「おもしろそうだ」「できそうだ」と感じ,興味・関心や学習意欲を高めました。
・ 映像資料などを見て,考えたり話し合ったりすることで,思考や理解を深めました。
○ 子どもがICTを活用する場面
 

・ 「なぜなんだろう」「なるほど」「そういうことだったのか」と気づいたり理解を深めたりしました。
・ 調べたことをまとめ,発信・伝達する学習活動を通して,ICTを適切に活用したり情報モラルを向上させたりしました。

 また,研究を進めていくためには,教師自身がICTの特性を十分理解し,ICT活用の指導効果を高めるICT活用指導力向上を目指した研究を進めていくことも重要であると考えました。
 具体的には,実践研究部とカリキュラム研究部で研究を推進しました。

 研究部  研究のねらい  研究の内容
 実践研究部  情報活用能力を高めるためのICTの活用法と情報モラル向上に関する指導法の追究   学習指導の中における情報活用能力の育成をねらった授業実践を通し,効果的な指導法について検証しました。 
 カリキュラム研究部  情報活用能力を育成する指導カリキュラムの充実   情報活用能力を育成するカリキュラム表を整備・充実させ,実践例を紹介しました。