■平成30年度 研究部■
 
研究のまとめ
 
 研究主題「子どもたちの学びを深める情報教育」を達成するために、子どもたちの情報活用能力を育む授業づくりに取り組んできた。本年度は思考力・判断力・表現力の伸長に主眼を置き、主体的・対話的な学びを支える情報活用能力を高める授業づくりを進めた。
 その結果、複数の情報を比較したり関連付けたりすることに重点を置き、付箋紙等を活用して対話を行うことが自分の考えを深めることにつながった。
 また、情報モラルの実践においても、情報活用能力を育成する一連の学習の流れを踏まえることが、情報モラルへの理解を深めることにつながった。
 具体的には、次のような成果が認められた。
 
 
(一例)       
・ 「名古屋港のあたりはどのような様子か」という課題に対して、名古屋港周辺の土地利用を表す地図を基に話し合いを行い、気付いたことをまとめた。ICTを活用して「工場の多いところ」「土地の高低」「主な鉄道」「主な道路」を表す4種類の地図を重ね、その地図を基にした対話を通して、複数の情報を関連付けて考えたことで、子どもの学びを深めることができた。
 
・ 道徳の教科書の題材「知らない間のできごと」にある、携帯電話によるトラブルについて扱った。トラブルの原因となった文字だけのコミュニケーションについて、もし顔と顔を合わせて話していたら「トラブルになる」「トラブルにならない」という二つの立場に分かれ、それぞれの理由について話し合った。自分の考えを付箋紙に書き、自分の考えと友達の考えとを比較することで、子どもの考えを深めることができた。
 
・ 文部科学省の情報モラル動画を視聴し、「インターネット上でやりとりするときに気を付けることは」という課題に対して自分の考えをもって、対話を行った。意見交流を通して情報を収集し、自分の考えと友達の考えとを比較する中で子どもの考えを深めることができた。
 
 各実践は、誰でも簡単に取り組めることを意識して行ってきた。紹介した授業実践を、子どもたちの情報活用能力の育成に向け、各学校で取り組む際の参考にしていただきたいと考える。
 
 
<研究部>
 ◎山田達也  小川拓也  長谷川堅亮