■令和元年度 研究部■
 
研究のまとめ
 
 研究主題「子どもたちの学びを深める情報教育」を達成するために、子どもたちの情報活用能力を育む授業づくりに取り組んでいる。本年度は、「主体的・対話的な学びを支える情報活用能力の育成」をサブテーマに、来年度から小学校で必修化されるプログラミング教育に重点を置いて、研究を進めてきた。

 プログラミングの要素を取り入れて考えることで、効率よく活動を行ったり答えの導き方を理解したりすることができただけでなく、プログラミング的思考も育成することができた。また、情報を視点に沿って整理し比較することで、根拠を基にして自分の考えをもつことができただけでなく、問題解決・探求における情報活用の実践力を育成することができた。

(授業実践の一例)
<第2学年 学級活動「2−1お楽しみ会をしよう」>
 お楽しみ会で行うドッジボールを、どのような流れで行うと効率がよいか考えさせた。プログラミングの要素(分解や順次)に着目し、ドッジボールを行うまでの活動を細かく分解したり、細かく分解した活動の順序を考えたりした。その中で、効率のよいドッジボールの流れを考えることができたとともに、プログラミング的思考を育成することができた。

<第4学年 算数科「垂直・平行と四角形」>
 計算の順序を意識化させるために、グループで協力して計算の「手順書」を考える活動を行った。子どもたちは、「手順カード」を用いて、「くり返し」や「条件分岐」といったプログラミング的思考を働かせながら、対話を通して計算の「手順書」を考える活動を行った。この活動に取り組むことで、計算の順序についての理解をより深めることができたとともに、プログラミング的思考を育成することができた。

<第6学年 総合的な学習の時間「世界の国について知ろう」>
 「移住するならどの国がいいか」をテーマに、日本を含めた世界各国の情報を収集・整理し、各国の特徴を比較しながら自分の考えをまとめる活動を行った。視点に沿って情報を整理すると比較しやすくなることに気付かせ、収集した各国の情報を、「物価」や「治安」などの視点に沿って整理させた。視点に沿って情報を整理させたことで、各国の特徴を比較しながら、根拠を基に自分の考えをまとめることができた。

 各実践は、誰でも簡単に取り組めることを意識して行ってきた。紹介した授業実践を、子どもたちの情報活用能力の育成に向け、各学校で取り組む際の参考にしていただきたい。
 
 
<研究部>
 ◎伊藤寿悟  井上陽介  大口泰貴  長谷川堅亮